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投稿日:2017年03月07日更新日:2023年07月06日

【評価・レビュー】戦国死にゲー『仁王』はダークソウルとどう違うのか?

ダークソウルブラッドボーンのパクリなどと散々言われた今話題の戦国死にゲー「仁王」。PS4独占タイトルですね。

かなり難しいゲームなので悪戦苦闘した人も多いと思いますが、私も何度も心が折れそうになりましたが先日ようやくクリア出来ました。

今回はその仁王をレビューしていきますが、詳細なレビューの前に、まずはざっくりと大まかな感想を言います。

また、最新作『仁王2』のレビューも投稿していますので良かったらご覧ください(*’ω’*)

【評価・レビュー】雑魚でも即死!鬼畜難易度の仁王2はクソゲーなのか?【死にゲー】

ざっくりとクリアした感想・評価

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不満は色々とありますが、率直な感想としては面白かったです。そして、難しかったですね。個人的にはダークソウルやブラッドボーンよりもだいぶ難しく感じました。

それだけ難しいとストレス溜まるんじゃないかと思うかも知れませんが、そこまで感じませんでしたね。その理由は操作性です。仁王は操作性やロードの速さが優れ快適なので、理不尽さは最小限に留められているんです。

操作感覚や立ち回りはやはりダークソウルやブラッドボーンに通じるものがあります。重厚感は若干弱く感じましたが、その分スピーディーで軽快な立ち回りが出来るので、これはこれで有りだと思いました。

ボリュームや出来る事の多さはダークソウルよりも多いので長く楽しめると思いました。ただ、要素を詰め込み過ぎた感があって、一つ一つの作り込みが足りてないと感じましたね。特に武器強化要素はクリア後じゃないとほとんど意味が無いので、その辺りの調整は必要だと思いました。

メインミッションのみやってクリアまで40時間かかったのでまずまずのボリューム。クリア後は高難度ミッション、守護霊強化、高ランク武器の解放などの要素が追加されるので延々と遊べます(ディビジョンディスティニーのエンドコンテンツに近い印象)。

ダークソウルやブラッドボーンが好きな人であれば損はしないと思います(ただ、育成・武器強化して強敵を倒す感覚はモンハンに近いですね)。また、クリア後はハクスラ要素が充実するので非常に長く楽しめる作品だと思います。

序盤ステージの実況動画を紹介します。この作品の大体の雰囲気はつかめると思うので参考にしてみてください。

それでは、ここからは各要素についてダークソウルとの比較を交えながら詳細にレビューしていきます。

達成感のある死に覚えゲーはとても楽しいがアイテム枯渇問題は改善するべき

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人間の本能に訴えかける楽しさ

何度もゲームオーバーを繰り返しながら、敵の行動パターンを見極め、隙を突いて攻略する感覚はやはり楽しいですね。仁王もダークソウルに引けを取らない面白さを感じました。初見でも慎重に戦えば倒せるボスもいくつか存在しますが、たいていは5回、10回と死んで、行動パターンを見極めながら勝利に近づいていきます。

”出来なかったことが出来るようになる達成感”はゲームに限った話ではなく、あらゆるシチュエーションに共通することです。いわば人間の本能を刺激してくれるんですよね。だから、楽しくないわけがないんです。

死ねば死ぬほどアイテムが足りなくなる問題

ただ、残念なのが「死ねば死ぬほどアイテムが枯渇していく」という仕様です。死んでも消費したアイテムは元に戻らないので、1戦目でアイテムを使い果たしてしまえば、2戦目からはアイテムが使用できないわけです。

勿論、敵を狩ってドロップを狙うという事も出来ますが、ボスと戦うたびにそれをやるのは非常に面倒臭いわけです。ミッションから離脱すればアイテムを購入することも出来ますが、一度ミッションを離脱してしまうと、そのミッションは最初からやり直しになってしまうので、これもまた非常に面倒臭いわけです。

アップデートで「いつでも買い物出来るように」してくれれば、かなり遊び易くなると思うので期待したいところですね。

歯ごたえ抜群?ダークソウルの2倍は敵が硬い

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ダークソウルと比較してまず思ったのが「敵の硬さ」ですね。個体差やプレイスタイル(武器・構え)で変動してきますが、2倍は硬いと感じました。

基本的にこの手のゲームは、敵の攻撃パターンを覚えさえすれば作業になってしまうので、硬すぎる敵は無駄に面倒くさいだけなんですよね。硬いからと言ってゴリ押しすると簡単にゲームオーバーになってしまいますし…。それに硬過ぎるからレベルアップしても成長を実感できないんですよね。ダークソウルぐらいのバランスが丁度良いですねやっぱ。

ここまで敵が硬いのはおそらくクリア後のハクスラ要素(収集・強化要素)の為だと推測できます。ハクスラやると武器やレベルがメキメキ強化されていくので、そこそこ敵が硬くないと強化の意味が無いわけです。

1周目だけでも敵のHPを低めに設定するなどの調整をして欲しかったですね。ただ、攻撃力上昇や防御力減少のスキルを組み合わせると途端にヌルゲーになるのでその辺のバランス調整も必要かと思いました。

スピーディーな戦闘は魅力的だが、爽快感に欠ける面も

装備によっても大きく変わる部分ですが、基本的に移動や戦闘がスピーディーなので、慣れてくると非常に快適に遊べるのは仁王の魅力ですね。

もちろんスピーディーである以上、操作も忙しくなるわけですが、ダークソウルのように慎重に戦う事も出来るので、素早い操作が苦手な人も安心です。

仁王はスピーディーな爽快感は十分ある一方、一撃が軽い印象があるので、ダークソウルやブラッドボーンの様に「金属がぶつかり火花を散らす様な重厚な爽快感」はあまり無いんですよね。また、仁王はボス・雑魚ともに小型の敵がほとんどなので、全体的に迫力に欠けてしまうのは否めません。

ダクソよりも反射神経が問われる

仁王はスピーディーな戦闘が楽しめる一方で、敵のモーションもスピーディーです。ほとんど予備動作が無い攻撃もあったりするので、ダークソウルシリーズよりも反射神経が問われるんですよね。

ダクソでは敵の動きを見て慎重に戦えば何とかなるゲームバランスですが、仁王ではそれが通用しないケースが少なからずあります(攻撃を見てから対処すると間に合わない攻撃があるんですよね・・・)。とはいえ、8割ぐらいは慎重に立ち回っていれば大丈夫なんですが、事故って死ぬ事も多いんですよね…(´Д⊂ヽ

特に序盤のステージで相当死にました。ボスも強いですが道中の雑魚が異様に強いんですよね…。

マップの作り込みが甘く単調に感じる

ダークソウルやブラッドボーンのマップは「おおぉ、凄い!」と思わせる魅力があるんですよね。景観の美しさだったり、敵の絶妙な配置だったり。職人技を感じるんです。

それに対して仁王はそこまで練られていない、「とりあえず作りました」という感じがするんですよね。似た様な景観が多いので道に迷いやすいですし、ダークソウルほど緊張感も感じられませんでした。

また、カメラワークの問題だと思いますが、ダークソウルやブラッドボーンはその世界に入り込む感覚があるんですが、仁王はミニチュアを眺めているような感じになるんですよね。

成長システムはまんまダークソウルという安心設計

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この画面を見ると分かるように成長システムはまんまダークソウルのパクリですね。装備重量によって動きの機敏さが変わったりするのも同じですし、死んだら経験値をロストするのも、再度死ぬこと無く死んだ場所まで行けば経験値を回収できるのも同じです。もう少しオリジナリティがあっても良かったのではないかと思います。

ただ、武器の装備システムについては真似て欲しかったですね。ダークソウルのように右手武器、左手武器という扱いではなく、単純に近接武器2種類、遠距離武器2種類、計4種類が装備可能という作り。好きな組み合わせで二刀流にしたり、ブラッドボーンみたく刀と銃の組み合わせとか出来たら楽しかったのにと思うんですけどね。

なお体験版で不評だった武器の耐久値は廃止されたので、好きな武器を心ゆくまで使い倒すことが出来ます。

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装備はダクソと同じく外観にも反映される仕様

ハクスラ・武器防具強化が楽しい!本編クリア後は要素拡大!

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仁王ならではの特徴としてハクスラ要素(収集・育成・強化・合成)がありますが、これによりクリア後も長く楽しむ事が出来るのはとてもありがたい事です。

武器には【熟練度】があり、同じ武器を使い続けると上がっていきます。熟練度が最大になった武器の特殊能力は武器合成で他の武器に継承することが出来るので、自分だけの最強武器を作ることも出来るんですよね。

また、同じ武器でも性能や付加効果が異なるので、より優れたものを発掘する楽しみもありますね。

本編クリア後には武器防具の強化要素が拡大され育成の楽しみが増します。じっくりとキャラクター育成・武器強化を楽しみたい人には魅力的な要素だと思いました。

設定で60fosモードが選択出来るのは良いアイデア

最近ではPS4Pro向けに画質設定を変えられるゲームが多く登場してきていますが、仁王では通常のPS4でも画質設定を変更することが出来ます。

具体的には解像度重視の「Movie Mode(30fps固定、可変フレームレートが選択可)」とフレームレート重視の「Action Mode(60fps固定)」があります。

個人的にはフレームレート重視のAction Modeがオススメです。仁王はスピーディーなアクションゲームなので画面の滑らかさはゲーム性にも影響してくるからです。

武器の系統毎にスキルがあるので攻撃バリエーションが多彩

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ヒット&アウェイで敵を倒していく感覚は仁王もダークソウルも同じですが、仁王の方が攻撃バリエーションが豊富なので工夫次第でより楽しめると思います。

仁王では各武器毎にスキルがあり、レベルアップすることで新たなスキルを習得できます。スキルは能力強化以外にも新たなコンビネーションや戦略をガラリと変える技もあります。

更に各武器には3つの「構え」があり、それぞれ攻撃方法が異なります。コンボの途中で「構え」を変更して新たなコンボに繋げていくという事も出来るので、極めればかなりスタイリッシュな戦いが可能です。攻略するだけではなく「魅せプレイ」を楽しみたい人には嬉しい要素だと思います。

ミッション中のアイテム購入が出来ないのはツラい

先ほども少し触れましたが、ミッション中のアイテム購入が出来ないのは結構厳しい仕様だと思うんですよね。

例えば、序盤に麻痺攻撃が強力なボスがいるんですが、麻痺回復アイテム「麻痺治しの針」を準備して戦うのがセオリーなんですよね。

いくつかはミッション中に手に入るのですが、ボスに何度もやられているうちに麻痺回復アイテムのストックが無くなってしまうわけです。そうなったら地道に敵を倒してドロップを狙うか、ミッションを離脱して購入するかしかありません。しかし、ミッションを離脱したらそのミッションは最初からやり直しになってしまいます。

ドロップが期待できるならまだ良いですが、終盤になると雑魚を狩れない状況もあるため、ミッション離脱してやり直すか、回復無しで戦うかの2択を迫られるんですよね。流石にこれは調整不足だと思います。

まあしかし基本は覚えゲーなので、最終的にはほとんどノーダメージで倒せるぐらいまでプレイヤースキルが上がってしまうんですが…(笑)

ほとんどが夜間ミッション、昼間のミッションも欲しかった

サブミッションはまだほとんどやっていないのでメインミッションに限った話になりますが、全体的に夜間ミッションや薄暗い屋内でのミッションばかりなんですよね。ダークソウルで言う所の「イルシールの地下牢」や「病み村」みたいな雰囲気のマップが多いです。

また、日中でも霧がかっていたりするので全体的に窮屈で閉鎖的な印象を受けるんですよね。ダークソウルの様な絶景ポイントもいくつあると良い気分転換になったのにと思います。

ストーリーは日本の武将が好きな人なら楽しめるはず

仁王は戦国時代をモチーフにしたファンタジー作品なんですが、徳川家康や織田信長を始め数々の武将や歴史的な人物が登場するので、日本史や武将が好きな人は楽しめると思います。主人公ウィリアム・アダムス(三浦 按針)も実在する人物ですしね。

ただ、日本史や武将を知っていることが前提でストーリーが展開していくので、あまり歴史に関心が無い人は置いてきぼりを食うかと思います(私もその一人)。

個人的にはダークソウルやブラッドボーンのような「言葉で語る事のないストーリー」のほうが好きですね。事前知識不要で楽しめますし。

仁王の得点

84 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆☆★
及第点ではあるが作り込みが浅いように感じる
サウンド ☆☆☆★★
悪くはないが全体的に軽い印象がある。ボスのBGMに緊迫感が足りない
熱中度 ☆☆☆☆★
死ぬ度にプレイスキルが向上していく感覚は病み付き。しかし、一部の理不尽だったり、面倒臭いと思わせる要素があったのは残念
ボリューム ☆☆☆☆☆
初見メインミッションクリアに40時間ほど。サブミッション、ハクスラ要素を含めれば100時間、200時間は遊べそうなボリューム
遊びやすさ ☆☆☆☆★
基本的な操作感やロードの速さなどは高評価。一部の理不尽さはマイナス。

仁王はオススメか?

かなり難しいゲームなので、無双シリーズみたいなバリバリ敵を狩るようなゲームを求めている人には向かないと思います。しかし、じっくりと腰を据えて遊びたい、やりがいを感じたい、ゴリ押しでクリア出来るゲームはウンザリと言う人にはオススメ出来ます。もちろん、ダークソウルやブラッドボーンが好きな人にもオススメです(ダークソウル外伝だと思えば楽しめるはず)。

制作側も意図的にダークソウルやブラッドボーンに近づけていると思うので、どうしてもダークソウルやブラッドボーンとの比較になってしまい、色々と不満点は出てきてしまいますが、それでも良い作品だと感じました。ダークソウルが10だとすれば、仁王は7か8ぐらいでしょうか。

また、キャラクター育成し武器を強化して強敵に挑む感覚はモンハンに通ずる楽しさがあるので、モンハン好きな人にもオススメですよ。協力プレイも出来るのでまずは遊んでみることをオススメします。

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