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投稿日:2016年12月07日更新日:2023年07月26日

【評価・レビュー】製作期間10年の超大作RPG、FF15 (ファイナルファンタジー15)をプレイした正直な感想

製作期間10年とも言われているFF15(ファイナルファンタジー15)、そろそろクリアした人も多いのではないでしょうか? クリアして色々な感想を持ったかと思います。私もようやくクリアしたので、今回は全体を通してのレビューをしていきます。

なお、以前投稿したFF15批評記事「FF15はクソゲー?神ゲー?プレイしての正直な感想。6つの良い点と15つの悪い点」もゲームクリアに合わせてアップデートしました(アップデート前は7時間ほどプレイした感想を掲載していました)。

この記事の目次

序盤、中盤、終盤で評価は大きく異なる

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Amazonのレビューを見ても分かるように、まだ途中までしかプレイしてない人、最後までプレイした人で評価が分かれるようです(クリアした人の方が評価が低い)。

個人的には100点満点中、序盤50点、中盤75点、終盤40点ぐらいのイメージですね。

他のオープンワールドゲームと比較してマイナス印象だった序盤

オープンワールドなのに移動に制限が多くてストレスがたまったり(特に車は酷い)、マップが無駄に広く移動距離が長くてしんどく、それでいてロケーションが少なく殺風景なので、どうしても他のオープンワールドゲームより見劣りしてしまうんですよね。

FF15ならではの楽しみ方が分かってきた中盤

中盤にはゲームにも慣れ、楽しみ方が分かってきます。身に付けたスキルとテクニックで本編とは関係のない巨大モンスターに戦いを挑んだり、各地を冒険して未知のエリアを発見する楽しみが分かってくるので、素直に楽しいと感じました。

途端に自由が無くなり縛りプレイを求められる終盤

後半の自由度の無い展開やストレスがたまるマップなどで再び低評価に転落します。

特に列車移動は理解不能でしたね。
「自由な時間をお楽しみください」と言って駅到着までのあいだ自由行動になるんですが、列車に落ちてるアイテム拾えるぐらいでイベントらしいイベントが無いんですよね。スキップも出来ずただただ待つ。意味が分かりません。

あとはFF15低評価の一番の原因であるチャプター13(13章)。
急にバイオハザードみたいなホラーゲーになって、同じような展開が1,2時間続くので相当ストレスが溜まります。これが無ければ今より星1つは高かったことでしょう。

こういった意味の無い尺稼ぎが結構多くて辛くなってくるんですよね。

キャッチコピーに偽りアリ!?

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  • どこまでも広がる世界、どこまでも行ける世界
  • FFシリーズ初、爽快なアクションバトル
  • 父と子。そして王の物語

FF15には上記3つのキャッチコピーがあるわけですが、「本当にそうか?」と首を傾げたくなります。

「どこまでも広がる世界、どこまでも行ける世界」とは言っても、山の上までは行けないですし、車なんかは道から反れることすら出来ません。オープンワールドとしては大分窮屈な印象です。

「FFシリーズ初、爽快なアクションバトル」、これは序盤から中盤ぐらいまでですね。後半になると異様に敵が硬くなり、ワンパンで即死することも多くなるので爽快とは言い難いです。

「父と子。そして王の物語」、これはどうなんでしょう。父親のエピソードなんて全くと言っていいほど語られませんでした。おそらく、本編発売前に発売された映画とアニメの中で語られているんだと思いますが、本編でそれを謳うのは反則ですね。

全体的にストーリーが説明不足

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全体的にストーリーが薄いんですよね。説明が少なすぎるのでプレイヤー置いてけぼりなんです。あまりネタバレは出来ないので軽く触れる程度にしますが、例えば以下の様な不満があります。

男同士の友情物語のはずが・・・

「男同士の友情を描きたかったのかな」と思わせる演出がラストにはとにかく多いんですが、そこまでの道のりでは各キャラクターのエピソードが皆無なので、メンバー4人がどういった友情を育んできたのかよく分からず感情移入出来ませんでした。

車一台盗まれただけで帝国軍の基地に殴り込みに!?

途中、主人公と敵対する帝国に愛車レガリアを盗まれてしまうんですが、その付近のエピソードもガッツリ端折られている感じですね。なので、「たかが車一台を取り戻す為に命がけで帝国に殴り込む主人公たち」といった不思議な状況になってしまっているんです。

王子の警護よりも害虫駆除を優先!?

途中、仲間の一人であるグラディオラスがパーティーから一時離脱するのですが、彼は王子の警護役という重大な任務を任されているわけですが、「ちょっと抜けるわ」と言って離脱してしまうんですよね。その後、主人公はとある街の工場で害虫(シガイ)駆除をすることになるのですが、そこでグラディオラスと遭遇。

「いやいやいや、王子ほったらかして害虫駆除とか正気か!?」と思わずツッコミを入れる所でした。この辺の経緯も全然語られていないので、ただただ非常識な警護役としか思えませんでした。

重要キャラクターのエピソードが皆無

本作ではいくつかの重要そうなキャラクターが出てきますが、どれもあっさりし過ぎています。

例えば、ヒロインの兄で帝国軍の将軍でもあるレイブス、そしてアルコドの首相カメリアなど、ストーリーの中盤に登場した時はかなり重要な扱いをされるんですが、その後はストーリーに絡むことは無し。

レイブスに関しては最後に思わぬ形で再開はするものの、これといったエピソードも無いので「中盤で会った時のラスボス級の強キャラ設定は何だったの?」と首を傾げたくなってしまうわけです。なお、レイブスについては後日アップデートでストーリーが補完されるようです。

FF15を楽しむには映画・アニメを見ていること前提?

FF15はゲーム本編以外にも映画とアニメも公開・発売されています。本編よりも前のエピソードが描かれているようなので、FF15の世界観やメンバーの人間関係を知るには必須なのかも知れません。でも、それらを見ないと置いてけぼりをくらうなら、それはゲームとしては欠陥だと思います。

直前まで「Life is strange(ライフ イズ ストレンジ)」をやってたので尚更ストーリー面の不備が気になってしまいます。Life is strangeのストーリーはホント良く練られているのでオススメですよ。

ホスト王子?主人公ノクティスの言動はストレス

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やる気のない、挑発的、チャラい、人の感情を逆なでする様な言動があまりに多過ぎるのは聞いていてストレスに感じました(プレイヤーが選ぶ選択肢によっても印象は変わるかも知れません)。

FF10のティーダもチャラかったですが、人間的に明るい性格だったので気にならなかったんですが、本作の主人公ノクティスは陰気で暗い感じがして不快感があるんですよね。オープニングCGムービー(王都出発時)のノクティスは好青年な感じがしたんですけどね。

そんな調子がずっと続くのでシンドかったですね。ラストの成長した姿との対比の為にあえてそういうキャラにしたのかも知れませんが、とても王族とは思えない言動なので違和感を覚えました。どちらかと言えば、コンビニ前でたむろしているヤンキーに近いと思います(笑)

幼少時代はピュアな少年だったのに、何故こうなってしまったのか気になるところです。

キャラクターの感情表現がイマイチ

声優さんは頑張っていると思うし、演技力も悪くは無いと思うんですが、どうもキャラクターの感情表現が唐突な印象があるんですよね。

父親が死んで王都が陥落しても次の日には平常心

序盤で父親が殺され王都が陥落するわけですが、そのシーンでの演技は悪くは無いんです。ただ、次の瞬間にはいつも通り。全く父親の死を引きずっている様子もなく、王都の陥落なんて嘘だったのではないかと疑うぐらい通常運転なんですよね。

突然キレる仲間

また、とあるシーンで仲間のグラディオラスが主人公ノクティスの情けない態度に怒り喝を入れるのですが、そういう前兆もほとんど描かれていないので「え!?なぜ急にキレたの?」と困惑しました(笑)

声優さんの演技の問題じゃなくて、先ほども書いたようにストーリーを端折っているからだと思うんですよね。結構そういう場面が多くて戸惑います。

FFシリーズの売りであるグラフィックはクオリティにムラがある

FFシリーズと言えばグラフィックの美しさだと思うんですが、正直今作は期待を上回らなかったですね。

4年前にPS3でこのクオリティで発売されていたら衝撃的だったかも知れませんが、発売が遅すぎたと思います。今は、FF15より綺麗なグラフィックのゲームはいくらでもあるんですよね。

ただ、CGムービーやイベントシーンでの高精細なキャラクターだったり、ド迫力の召喚魔法や巨大なモンスターなどは一級品だと思います。これぞFFって感じで良いと思います。

問題なのは今作の目玉であるオープンワールドのグラフィック。正直、クオリティにばらつきがあり過ぎるんですよね。市街地は美しいんですが、荒野とかは結構汚く見えます。PS4のレベルには達していないと思いました。

また今作はやたらと「料理」のグラフィックに力が入っているんですが、そこよりも普段から目にするフィールドのグラフィックにもっと手間をかけて欲しいと思いましたね。

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↑市街地のグラフィックは美しい

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↑山や海はのっぺりしていて綺麗に見えない

戦闘システムは高評価!やり込むほどに楽しさが増す

FF15の戦闘はコマンド式ではなくアクション性が非常に高いものになったわけですが、最初こそ戸惑ったものの慣れてくると楽しいです。

キャラクターのレベルが低くても「プレイヤーのスキル次第ではなんとかなる」ゲーム性というのは「プレイヤー自身のスキルを高める楽しみ」にもなるので良いと思います。また、取得するアビリティによってはアクション性はさらに高まり奥深くなるので、ゲームが進行するほど楽しみが増していきます。

また、ボタン一つで武器を切り替えられるので、敵に合わせて武器を変えながらスタイリッシュに撃破していくのは中々気持ち良いです(終盤にもなると敵が凶悪に強いのでそんなこと言ってられなくなりますが)。

初心者でも遊べるイージーモード搭載

雑魚敵でも結構強いので常に緊張感があって楽しいんですが、初心者でも遊びやすいようにイージーモードもあるのでアクションが苦手という人でも楽しめます。

全滅してもその場で復活するので(敵のHPは減った状態のまま)ゲームオーバーにならず誰でもクリアできます。ただ、一部の討伐クエストでは復活しないので強敵を狩る場合は実力が必要になります。

サブクエストなどやり込み要素は多くボリューム満点!

正直今作のFFはメインストーリー(メインストーリーは20時間ほどでクリアしました)よりもサブクエストを中心に楽しんだ方が良いですね。その方がオープンワールドの醍醐味を感じられると思います。

私自身、サブクエストはまだ5時間程度しかやってなくてほとんど未消化状態ですが、「また3章だけど既に70時間プレイしている」という人もいるようなので、サブクエストや討伐クエストそして未開の地の探索などをしてたらかなりのボリュームになると思います。

FFシリーズ歴代のオリジナルサウンドトラックが収録!

これは個人的にかなり嬉しかったことなんですが、ゲーム内の車もしくはミュージックプレイヤーを使うことでFFシリーズ歴代のオリジナルサウンドトラックが聴けます。

おそらく全曲ってわけではないと思いますが、戦闘BGMとかフィールド曲など定番曲は収録されています。1作目から最新作までが収録されているので全部聴いたら10時間ぐらいかかりそうですね。

製作スタッフはゲームバランスを見直すべき

これまで述べてきた通り不満は色々とありますが全体的に調整不足なんですよね。

例えば、サブクエストをするにしてもいちいち目的地までが遠いんですよね。そんなに遠くにするなら移動手段をもっと快適にしてもらいたかったです。

スカスカなマップも気になりますね。街以外に人がいないのは不自然だと思いますし、敵も少な過ぎます。

また、敵も硬すぎると思います。今の半分ぐらいのHPで十分だと思いますね。硬いと効率を求めワンパターンになりがちなので戦闘の面白さが半減します。

乱戦時のバランスも良くないです。ごちゃごちゃして画面が見にくい上、仲間がいとも簡単に死んでいきます。なので、回復ばかりに専念することになり爽快感を堪能している余裕はありません。

あとは終盤のバイオハザード風マップ。これは本当に酷くて、まともにテストしたとは思えないぐらい面倒くさい展開が続きます。かれこれ1時間から2時間ぐらい。本家バイオハザードなら全クリア出来てしまう時間です。

テスター次第でいくらでも面白いゲームになったと思うんですよね。テスターが悪いのか?それともテスターの報告を無視したディレクターが悪いのか?真実は分かりませんが非常に残念です。

FF15(ファイナルファンタジー15)の得点

72 / 100

※この得点はどのくらいオススメなのかを表すものです。グラフィックやサウンドがイマイチでもそれを上回る魅力があれば高得点になります。

項目別評価

グラフィックス ☆☆☆☆★
CGムービー、エフェクト、巨大モンスターは圧巻だが、肝心のオープンワールドの出来にはムラがある。
サウンド ☆☆☆☆☆
戦闘BGMは最高!歴代FFの曲が「これでもか」というぐらい収録されているのでファンにはたまらない
熱中度 ☆☆★★★
とにかく移動がしんどかったり、尺稼ぎとしか思えないイベントが多いので辛くなってきます
ボリューム ☆☆☆★★
サブクエストなどやり込み要素は豊富だが、肝心のメインストーリーが薄く物足りない。また基本は狩ゲーなので一般的なオープンワールドゲームよりは出来る事が少ない印象
遊びやすさ ☆☆☆★★
一般的なオープンワールドゲームよりも制限が多く不自由な印象が強い。また、戦闘は敵によっては極端にバランスが厳しい。

※あくまで製作期間10年、定価9,504円という強気の価格設定を加味した上での得点です。製作期間がもっと短くて価格もお手頃ならもう少し高評価だったと思います。

FF15はオススメか?

個人的には期待が大きかった分、裏切られたという気持ちがありますね。ただ、もう少し価格が安くなればそこそこオススメではあります。ただ、製作期間10年とか前述した3つのキャッチコピーを真に受けてしまうとガッカリしてしまうかも知れないので、期待し過ぎないことが大切です。

スクエニは流石に期待感を煽り過ぎましたね。それが私や世間の酷評に繋がっていると思います(期待感を煽りまくった結果、初日で500万本売れたわけでもありますが…。その利益でアップデートしてもらいたいものです)。

オープンワールド未体験なら感動と驚きが待ってるはず

また、オープンワールド未体験な人にもオススメですね。この現実さながらの広大な世界観はオープンワールド未体験の人にとっては「おお、すげー!!!」って感動すると思います。

また、狩りゲーなのでモンハンとか好きな人も楽しめるかも知れません(共闘は出来ませんが)。

上記に当てはまる人や「オープンワールドのFFがやってみたい」と思う人は遊んでみても良いかも知れないですね。

無料アップデートで不満点改善を発表

スクエニはユーザーの数々の不満点を無償でアップデートしていく方針と発表しています。具体的には、悪夢のチャプター13のバランス改善、レイブスのエピソード追加、プレイアブルキャラクターの追加、強くてニューゲームといった内容です。

改善して良い作品にしていくのは嬉しい事ですが、これらのアップデートは発売前にキチンとテストしておくべきだったと思いますね(ある意味、定価9,504円を払ってテストしているようなものですし…)。

まぁでもネット環境が整っていて、これからFF15を購入するという人には良いのでは無いでしょうか?  Amazonだと早くも30%以上値引きされているので、この機会に日本を代表するRPG最新作を遊んでみてはいかがでしょうか?

また、だいぶ長くなってしまったのでFF15の良い点と悪い点をまとめた記事を別途投稿していますので、良かったらこちらの記事もご覧いただけると嬉しいです。

FF15はクソゲー?神ゲー?プレイしての正直な感想。6つの良い点と15つの悪い点

マジか!DLC制作中止を発表…

2018年11月、FF15が発売されて2年が経ちながらもDLCの発売が予定されていたわけですが、残念なことに発売が中止になってしまいました。

発売中止になったのは『未来への夜明け』と呼ばれる4本立てのストーリーDLCで、アーデン、アラネア、ルナフレーナ、ノクティスのエピソードが描かれる予定でした。そのうちの1つであるアーデン編は2019年3月に発売されるそうですが、本作の主人公であるノクティス編が発売されないのは何とも言えない気持ちですね。

元々、本編のストーリーがDLCありきの内容でしたので、発売中止は実質ストーリー未完という事になります。発売から2年が経ち、プレイ人口もだいぶ減ってきた為、DLCを発売しても採算が合わないからこの決断をしたのでしょう。ユーザーにも落胆の声が非常に多いです。

次のナンバリングタイトルであるFF16に期待したいところですが、本作での散々の結果を見てしまうと続編が出る望みはかなり薄い気がしますね。30年間続いたシリーズが遂に終わりを迎えることになってしまうのでしょうか…。

オープンワールドが楽しみたければこちらもオススメ

ジャンルは違いますがオープンワールド楽しみたければ、レッドデッドリデンプション2マーベル スパイダーマンGTA5Fallout4WatchDogs2をオススメします。いずれもFF15とは全くスケール感も作り込みも違うので衝撃を受けると思いますよ。

最新作、FF16のレビューや考察記事も投稿しています。興味がある方は読んでいただけると嬉しいです。

【FF16を深く知る】FF16のレビュー、評価、考察記事まとめ

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